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現代物理は、ビッグバンの際、一体何が起こったのかを記述できておらず、量子論と相対性理論は、果てしなく密度が高く高温の原初の宇宙を描くことに、ほぼ失敗していると言ってよい。

最新の研究によると、これらの2つの基本的な柱(量子論と相対性理論)を統合する物理学である「量子重力理論」だけが、この宇宙がどのように始まったのかについての洞察を提供できるという。(※量子重力とは、重力の力を量子力学の法則にしたがって記述しようとする物理理論)

独・マックス・プランク重力物理研究所の研究者とカナダのペリメーター理論物理学研究所が量子重力理論に関する重要な発見をした。

彼らの理論によると、空間には小さな構成要素が存在するという。小さな構成要素からスタートすると、宇宙論の基本的な方程式の1つであり、宇宙を記述する「フリードマン方程式」にたどり着くというのだ。つまり、量子力学と相対性理論の統合が本当に可能だということを示しているわけである。

ほぼ1世紀もの間、これら2つの主要な物理学理論は共存してきたわけだが、アインシュタインの一般相対性理論がマクロな世界を記述する一方で、量子論は原子や素粒子の世界を記述しており、互いに相容れてこなかった。

両理論は、それぞれの境界内においては、ひじょうによく機能する。しかしながら、究極の領域であり、ひじょうに小さな距離である、いわゆる「プランクスケール(10のマイナス38乗)」となると、両理論は崩壊する。さらに、ブラックホール内、ましてや、ビッグバンにおいては、空間と時間はもはや意味を持たない。

アルバート・アインシュタイン研究所(AEI)のDaniele Oriti氏は、そのことを流体を使って説明している「わたしたちは、流れる水のふるまいを古典的で長年知られてきた流体力学の理論を使って説明できます。しかし、さらにスケールを小さく、さらに小さくすると個々の原子に行き当たります。すると、流体力学の理論を当てはめることはできなくなるのです。そこで、必要になるのが量子力学です」。

液体が原子から構成されているように、Oriti氏は、空間も小さな構成要素である細胞のような「空間の原子」とでもいえるものからできていると想像している。空間の原子を記述するには、「量子重力」が必要となる。

アインシュタインの相対性理論において空間は連続している。しかし、Oriti氏は、その空間を「空間の原子」まはた細胞と呼べるような基本的な構成要素にまでばらばらにし、量子物理学の法則に当てはめたのである。

量子重力へのアプローチにおいては、空間の原子から宇宙の次元の間にある巨大な次元スケールを埋めることが基本的な問題となる。

しかし、そここそ、Oriti氏とその同僚であるLorenzo SindoniおよびAEIの元博士後研究員で、現在ペリメーター研究所研究員であるSteffen Gielen氏が成功した点なのだ。

彼らのアプローチは、いわゆる「グループ・フィールド理論」に基づいている。これは、彼らがしばらくの間開発してきた「ループ量子重力」と密接な関係を持っている(※ループ量子重力理論とは: 時空(時間と空間)にそれ以上の分割不可能な最小単位が存在することを記述する理論。重力の古典論である一般相対性理論を量子化した量子重力理論の候補)。

次なる課題となるのは、宇宙が空間の原子と呼べるような基本的な単位から、どのように進化してきたかを記述することである。

流体のたとえに話を戻そう。果たして、原子に対応した理論から、流れる水の流体力学をどのように引き出すことができるのか?それは、ひじょうに困難な数学的作業だが、Orisi氏らは驚くべき成功を収めたのだ。

空間が原子のような構成要素から成り、それが膨張して今あるような宇宙のように進化するという特殊な仮定のもと「私たちは、初めて完全な空間構造を表す理論の一部として、直接フリードマン方程式を引き出すことができました」Orisi氏は話している。

膨張する宇宙を記述する基本的な方程式である「フリードマン方程式」は、ロシアの数学者アレクサンダー・フリードマンが1920年に一般相対性理論に基づいて導きだしたものだ。それが今日になって、やっとミクロとマクロの世界の間、つまり一般相対性理論と量子論との間にあるギャップが埋まったことになる。

Orsti氏らによる研究では、「空間の原子」(または細胞)とも言えるものが縮合物となって、わたしたちの住む宇宙と似た宇宙に発展することが示されたという。

Orti氏らは自身について、困難ながら前途有望なスタート地点に立っていると考えている。というのも、彼らの導き出した答えは、均一な宇宙にしかあてはまらない。実際の宇宙は、均一どころか、惑星や星、銀河などが存在しており、もっと複雑だ。そこで、研究グループでは、それらを考慮に入れた研究にすでに着手しているからだ。

一方で、また彼らは、ビッグバン時の空間も記述できるかについて研究したいと考えている。

数年前、元AEIの研究者Martin Bojowaldが、(ビッグバン時まで時空をさかのぼれる)「ループ量子重力論」の単純化バージョンの一部の証拠を発見している。Oriti氏らは、彼らの研究成果と合わせることで、その成果を確認または発展させたい意向だ。

もしも、それが成功し理論が確立されれば、ビッグバン直後の宇宙のインフレーション膨張や、なぞに満ちたダークエネルギーの性質を理解するのに役立つことだろう。

Sindoni氏は、「量子重力論と手に入れたとき、宇宙の進化について本当に理解できるようになるでしょう」と話す。

NEWS SOURCE: MAX PLANK GESELLSCHAFT - "Quantum steps towards the Big Bang"
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