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ヨーロッパ南天文台(ESO)のVLT (Very Large Telescope)を使った観測によって、天の川銀河内に年齢が130億歳と、これまでに観測された星のなかではもっとも年老いていて、組成のほとんどが水素とヘリウムという、これまで存在不可能と思われてきた星が発見された。

eso1132a.jpg

発見されたのは、しし座の方向にあるSDSS J102915+172927と呼ばれる星で、これまでに観測された星の中では、ヘリウムより重い物質の量がもっとも少ない。星の質量は太陽より小さく、その年齢は130億歳以上と見られている。

仏・パリ天文台のElisabetta Caffau氏は「広く受け入れられている理論では、このように質量が小さく、金属のひじょうに少ない星は、存在できないと予測されています。なぜならば、星を生むガスやちりの雲が収縮・崩壊できないはずだからです。この発見はおどろきです。理論の予測を超えた、“禁断領域”に属する星といえます。星形成モデルの改定が必要なのかもしれません」と話している。

星形成理論によれば、質量が太陽の0.8倍からそれ以下の星は超新星爆発後につくられる。爆発によって恒星間に重元素が豊富となり、それが一定の密度に達すると、ちりやガスの雲の温度を下げる働きをする。すると、雲が崩壊して星が誕生するのである。重元素の存在がなければ、熱による圧力が強すぎ、ガスやちりの雲自身の重力も、崩壊を起こすには弱すぎるのである。また、ある理論では、炭素や酸素が温度を下げる主たる働きをするとされている。しかし、SDSS J102915+172927内の炭素は、じゅうぶんな働きをする量には達していない。

研究チームは、VLTに搭載されている2つの機器を使って星の特徴を調べた。その結果、金属の割合が、太陽の2万分の1以下であることもわかった。

同じく、仏・パリ天文台のPiercarlo Bonifacio氏は「わたしたちの最初の観測で、ヘリウムより重い物質はカルシウムしか検出できませんでしたので、他の重元素がないかどうかなど、詳細な追加観測が必要です」と話している。

宇宙論研究者は、もっとも軽い物質である水素とヘリウムはビッグバンの直後に、多少のリチウムとともにできたと考えている。それ以外の物質のほとんどは、もっとあとになって星の中でつくられる。超新星爆発は、星の中でつくられた物質を放出し、それにより恒星間空間に重元素が供給されるのである。新しい星は、その重元素の豊富なガスやちりの雲から形成されるため、年老いた星に比べて、より重元素の多い星となる。つまり、重元素の割合を調べれば、星の年齢がわかるのである。

ESOのLorenzo Monaco氏は「わたしたちが調べたこの星は、重元素が極めて少ないのです。つまり、とても原始的なのです。これまでに発見されたなかで、もっとも年老いた星かもしれません」と話している。

また、研究者を驚かせたのは、DSS J102915+172927に含まれるリチウムの少なさだ。ビッグバン直後に生まれたような年老いた星であれば、もっと金属が含まれているはずなのだ。DSS J102915+172927のリチウムは、ビッグバンでつくられた物質から予想される量の50分の1だった。
Bonifacio 氏は「これは、宇宙誕生直後につくられたリチウムが星の中で、どのようにして破壊されたのかはなぞです」と加えてコメントしている。

なお、研究チームではこの星が決して特別な存在ではないかもしれないと指摘している。Caffau氏は「わたしたちは、このほかにもいくつか、重元素の量がSDSS J102915+172927と同じくらいか、それ以下という星の候補を挙げていて、今後観測を行う予定です」と話している。

NEWS RELEASE SOURCE: "The Star That Should Not Exist" - ESO Science Release ⇒ http://www.eso.org/public/news/eso113
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2010年に太陽の300倍以上という質量をもつ、モンスターのような星が発見された。

そのひじょうに明るい天体は、マゼラン大星雲中のR136と呼ばれる星団に属しており、これまでに同じような大質量星は見つかっていない。

独・ボン大学の研究グループは、そのなぞに迫り、超大質量星はひじょうに明るく接近した星どうしが合体したためであることを明らかにした。

R136_zoom.jpg
monster-star.jpg(クリックで拡大)
(画像上、タランチュラ星雲中のR136の位置(左、真ん中)、超大質量星の存在する領域の拡大図(右))
(画像下、恒星の大きさを比較した図。左下から太陽のような星、質量が太陽の8倍ほどの青色矮星、R136中に発見された超大質量星R136a1)

マゼラン大星雲は約16万光年の距離にあり、天の川銀河の衛星銀河の中では3番目に近く、星雲には約100億個の星が存在する。

そして、マゼラン大星雲には多くの星形成領域が存在する。その中でももっとも活動が活発で直径が一千光年あるタランチュラ星雲には、4つの超大質量星が発見されている。同星雲には、ガスやちりなど星の材料が豊富に存在し、別名かじき座30星雲(30 Doradus;30 Dor)とも呼ばれている。

かじき座30星雲の中央近くには、星のゆりかご「R136」が存在する。その明るさは、マゼラン大星雲中だけでなく、天の川銀河も所属する50個以上もの銀河群(局部銀河群)の中で、だんとつに明るい。

2010年に4つの超大質量星が発見されるまで、天の川銀河や他の銀河の観測によって、今日の宇宙における恒星の質量上限は、太陽の約150倍であると示唆されてきた。つまり、その質量は宇宙全体に共通の上限であり、どこに作られた星であろうとも、その限度にあてはまるとされてきた。

ボン大学の教授Pavel Kroupa氏は「質量の上限だけでなく、星を構成している質量の中身は誕生した場所に関係なく、共通しているはずで、誕生のプロセスも宇宙全体に共通のはずです」と話す。

つまり、R136に発見された明るさと質量が異常な4つの星は、一般に受け入れられている上限からとびぬけた、例外なのだ。この発見は、かじき座30星雲が、宇宙の他の領域とはひじょうに異なっていることを意味しているのか。もしそうならば、これまで受け入れられてきた星形成プロセスという、現代天文学の大前提に大きな疑問が投げかけられることになる。

Bonn氏らのグループは、R136のような星団における星どうしの相互作用のモデルをつくり、シミュレーションを行った。

星1つ1つが再現され、17万個もの星がぎゅうぎゅうに詰め込まれた実際の星団に近いものがシミュレーションされた。シミュレーションは、星からの放射や星どうしの衝突の影響を考慮にいれた複雑を極めたものであったが、徹底的に星1つ1つを再現した「N体シミュレーション」では、もっとも正確な、信頼度の高い星団のモデルをつくることができる。

研究グループは、ケンブリッジ大学天文学研究所のSverre Aarseth※によって開発されたN-体統合コード「NBODY6」を使用した(※Sverre Aarseth氏は、N体シミュレーションの権威)。

研究グループのPavel氏とSeungkyung氏は「すべての要素が組み込まれたR136のN体シミュレーションは、これまででもっとも難しい、これまでにない徹底的な計算が行われました」と話している。

Sambaran氏はそれに加えて「シミュレーションが終わると、すぐに超大質量星がなぞではないことが明らかになりました」と述べ、続いて「まだ星団が若いうちにその結果は現れ始めました。星団では、多くの大質量星がひじょうに接近した連星となっていて、連星どうしは頻繁にランダムに接近し合います。その一部が衝突・合体し、質量の重い星となったのです。合体した星は、R136に見られるような超大質量星となって、一生を終えました。想像してみてください。多くの連星がひじょうに接近しています。連星のペアは他の星の重力によって引き離されます。もし、軌道が大きく引き伸ばされたら、星から引き離された星が他の星と衝突することとなり、それが合体して1個の超大質量星となるわけです」と説明している。

「衝突にはひじょうに複雑な物理が関連していますが、この結果がタランチュラ星雲に存在する超大質量星を説明するものだと、確信しています」と研究グループのBanerjee氏は話す。

さらに同グループのKroupa氏は「安心しました。衝突なら超大質量をひじょうに簡単に説明できるからです。これで現代の星形成理論は安泰です」と話している。

IMAGE CREDIT: European Southern Observatory

Astronomers crack mystery of the “monster stars" - Royal Astronomical Society ⇒ http://www.ras.org.uk/news-and-press/219-news-2012/2158-astronomers-crack-mystery-of-the-monster-starsq
4時間以下という短い周期で互いのまわりを回っている連星系(星どうしが互いのまわりを回っているペア)が発見された。これまで、このように接近した連星系は存在しないと考えられてきた。

連星系自体は、決してめずらしいものではない。事実、天の川銀河の星の半分は、われわれの太陽とは違って、連星系を成している。

そして、そのほとんどが互いに近い場所で形成され、そのまま互いのまわりを回っている。しかし、あまりに互いの距離が近すぎる場合には、すぐに単独の星へと合体して大きな星となる。これは過去30年間の観測によってわかっており、そのうち周期が5時間以下というものはこれまで見つかっていなかった。

イギリス赤外線望遠鏡 (UKIRT)の観測の眼が、赤色矮星の連星系に向けられた。赤色矮星とは、大きさが太陽の10分の1以下で、明るさは太陽の数千分の1しかない。

観測の結果について、研究チームのオランダ・ライデン天文台のBas Nefs氏は次のように語っている「驚いたことに、5時間以下の周期で回っている赤色矮星の連星系をいくつか発見したのです。これまでは、そのような連星系は存在しないと考えらえれてきました。つまり、至近距離にある連星系の形成と進化について、考えなおさなければならなくなったわけです」。

進化の過程で、星は縮んで小さくなる。ひじょうに接近した連星系が存在するということは、連星の軌道も進化とともに小さくならなくてはならないことを意味している。そうでなければ、星どうしは、進化の初期の過程で合体してしまう。しかし、どうやって、そのように軌道が小さくなるのかは、まったくわかっていない。

赤色矮星の連星系は、これまで考えられていたよりも、はるかに激しく活動的なのかもかもしれない。

なお、恒星風(恒星表面から吹き出すガスの流れ)によって、特別な活動が起き磁力線がねじられ変形し、2つの星が互いに接近する軌道に落ちていくことはありうる。強力な磁場活動によって、星の自転が遅くなり、2つの星が互いにゆっくりと接近するのである。

英・ハートフォードシャー大学の David Pinfield氏は「2つの星の活動性と強力な磁場は、天の川銀河内の赤色矮星を取り巻く環境について、奥深いことを示唆しているのです」と話している。

NEWS RELEASE SOURCE: "UKIRT discovers 'impossible' binary stars" - Royal Astronomical Society ⇒ http://www.ras.org.uk/news-and-press/219-news-2012/2143-ukirt-discovers-impossible-binary-stars

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